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2017年08月16日 19:39
Category:06.多文化共生

「やさしい日本語」とは!!

 日本に住む外国人に、地震など災害時などいち早く情報を伝える言葉として「やさしい日本語」の重要性が注目を集めています。在留外国人が200万人を超え、2020年の東京オリンピックを控え、国際交流が急激に進む日本。多国籍でなかには英語が話せない外国人も多い。「やさしい日本語」は、小学生2・3年生で習うくらいの日本語。「漢字にルビをふる」「分かち書きにする」「一文を短くする」などです。

 阪神・淡路大震災後に最初に考え出された弘前大学、その後、公表された愛知県、島根県と、160カ国・8万人以上の外国人が暮らす国際都市・横浜市の「やさしい日本語」を4回に分けて紹介します。

 

 弘前大学・社会言語学研究室 

 

 1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災後、日本語を十分に理解できない外国人に災害情報を「迅速に」「正確に」「簡潔に」伝えるために、弘前大学・社会言語学研究室により考え出されたのが『やさしい日本語』です。同大学の「やさしい日本語」のパンフレットより、その内容をまとめてみました。

【阪神・淡路大震災の被災現場】

「やさしい日本語」に言い換えるときの基本原則として、大きい地震が起きたときの例で次の5つを挙げています。

重要度が高い情報だけに絞り込む。《「何が起きたか」「これから注意することは何か」「具体的に注意する事項」を伝える情報》

あいまいな表現は避ける。《「今後もしばらく余震が続くうえ」「やや規模の大きな余震が起きるおそれもあるとして」のような表現》

難解な語彙を言い換える。《「今朝」を〈今日(きょう) (あさ)〉/「危険」を〈(あぶ)ない〉/「確認する」を〈よく ()る〉のように言い換える》

知っていると役に立つ災害語彙には「やさしい日本語」に言い換えた表現を添える。《「余震」→余震(よしん)(あと)で ()る 地震(じしん)〉など》

複雑でわかりにくい表現は、文の構造を簡単にする。《文の意味が確実に伝わるよう一文を短くする。語の意味が確実に伝わるよう文節に区切りを入れる。など》

【同 建物被害】

「やさしい日本語」に言い換えた例文は次のようなものです。

今日(きょう) (あさ) 5時46分、 福岡(ふくおか) 佐賀(さが)などで、 (おお)きい 地震(じしん)が ありました。》

余震(よしん)(あと)で ()る 地震(じしん)〉に 注意(ちゅうい)して ください。》

地震(じしん)で こわれた 建物(たてもの)に 注意(ちゅうい)して ください。》

【同 自衛隊の活動】

  阪神・淡路大震災の被災者のうち、死者や負傷者の数を比較してみると、日本人に比べ外国人の方が2倍以上の高い割合で被害を受けていました。また、東日本大震災が起きたとき、被災地に住んでいた外国人の国籍は160カ国以上でした。このため、英語だけでは限界があり、多くの外国人にいち早く情報を伝える「やさしい日本語」必要とされているのです 

                

*写真は、災害写真データベース引用

【*弘前大学http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ1a.htm

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