2017年10月13日 17:49
Category:06.多文化共生

佐賀NGOネットワーク第5回公開講座

 

 

  佐賀NGOネットワーク(代表世話人:大野博之・佐賀大学客員教授)の第5回公開講座が9月23日、佐賀県国際交流プラザで開かれました。同ネットワークは昨年8月、佐賀で活動するNGO12団体で結成。この日は、特定非営利活動法人愛未来(Ai Mirai)と佐賀ユネスコ協会の紹介に続き、佐賀県国際協会(SPIRA)の矢冨明徳・企画交流課長が『多文化共生』について講演した。

 

 

【挨拶する代表世話人の大野氏(左前)】

 

 まず、代表世話人の大野氏(地球市民の会副理事長)が「グローバルカンパニーは、すでに様々なセクターの垣根を超えて、SDGs(エスディジーズ)の社会的課題に取り組んでいる。(全地球的な)持続可能な開発は、NGOにも自治体、政府にもメリットがある。CSRを一歩進めて、社会的価値を協働で作り出していく時期に差し掛かっている」とあいさつした。

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 2015年9月の国連総会で採択された「持続可能な開発目標」、通称SDGs(エスディジーズ)は、国連参加193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標。これは01年に採択された「ミレニアム開発目標」の後継として、30年末までに取り組む環境や開発問題に関する世界の行動計画。「貧困の撲滅」「健康と福祉」「質の高い教育」「ジェンダーの平等」などの17分野の目標を掲げ、取組の過程で「地球上の誰一人として取り残さないこと」を誓っています。SDGsについては、外務省HPを参照。

 

【「愛未来」の竹下敦子理事長がスリランカ、パラオとの交流支援を紹介】

 

 「愛未来」は、1997年からスリランカとパラオなどアジア・太平洋地域の人々との友好交流・自立支援に取り組んでいる国際交流団体。最初、スリランカで子どもの教育支援を手掛けたが、現地でのワークショップの結果、親の働く場を作り収入を増やすことが必要と分かった。農産物直売所を作り、「酪農とミルクの里づくり」を始めた。森にいる水牛の乳から作るヨーグルト「カード」や自宅で栽培する野菜を販売し、現金収入につなげた。

 パラオは日本から南に約3,000km、約200の島からなり人口は約2万人。1914~1945年の31年間、日本の委任統治領で、500語以上の日本語がパラオ語となっている。美しい自然環境を守りながら、産業と観光を結びつけたエコツーリズム(生活文化体験村づくり)を支援している。こうした地道な活動が認められ、社会貢献者表彰、アジア貢献賞を受賞した。         

 愛未来のHPhttps://aimirai.jimdo.com/

 

【佐賀ユネスコ協会の川原田知章事務局長】

 佐賀ユネスコ協会は、日本ユネスコ協会連盟(全国約283協会)の加盟組織で、1994年(平成6年)に日本で唯一なかった佐賀県で発足。「戦争は人の心の中に生まれるものであるから心の中に平和のとりでを築こう」というユネスコ精神に基づき、国内、国際的支援事業を行っている。具体的には、①東日本大震災の被害を受けられた人の心の支援 ②(移動オープンクラス)県下の学校・団体を対象に国際理解講座をもつ(随時依頼に応じる) ③私の町のたからもの絵画展(小中学生に自分の目でみた我が町のたからをかいてもらい、自然、文化財の大切さを知る)。同協会では、「平和のための国際理解、国際協力」をキーワードに、自分達のいる所で自分達ができること、興味のあることを実践。被災地への獅子舞公演、絵画展の実施、留学生、外国人の受入れなどを行っている。

 「11枚の書き損じハガキで、一人が一月学校に行ける」と、東日本大震災の子ども支援募金や、また発展途上国の教育支援の世界寺子屋運動の一環として、今年11月にはカンボジアへのスタディツアーを実施する。

【佐賀ユネスコ協会(https://www.facebook.com/sagaunesco/)】

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『多文化共生』について講演

 今回のテーマ講座では、『多文化共生』について、佐賀県国際交流協会の矢冨明徳が講師を務めた。佐賀県内の在住外国人は、平成28年末で5140人。前年比604人増加し、増加率は都道府県で全国1だった。国籍別では、①中国24.8%②ベトナム19.0%③韓国・朝鮮13.9%④フィリピン11.7%⑤インドネシア8.9%⑥ネパール5.5%⑦アメリカ2.3%⑧スリランカ2.0%の順となっている。

 矢冨は、外国人住民が直面する主な課題として、①コミュニケーションに関すること(日本語習得機会が少ない。手軽に利用できる通訳・翻訳サービスが少ない)②生活に関すること(健康保険や年金の加入率が低い。就学義務がなく不就学児童・生徒も存在。雇用が不安定で就業機会が少ない、など。)③地域社会との関係(相談窓口が少なくどこに相談していいのか分からない。交流機会が少なく、地域住民と接点がない。文化や生活習慣の違いから差別や偏見に遭う。)―を挙げた。

 そして、多文化共生について「外国人にも暮らしやすい地域づくりは、誰もが暮らしやすい地域づくり」として、地域における多文化共生の重要性を強調した。

 言わば、地域における「多文化共生」は、取組の過程で「地球上の誰一人として取り残さないこと」を誓う国連の持続可能な開発目標「SDGs」とも共通する、と言えそうだ。

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 佐賀NGOネットワークの最終第6回公開講座は、11月25日(土)午後2時~4時に佐賀県国際交流プラザで開かれる。佐賀県ユニセフ協会事務局長の江島きよ子氏が『子どもたちと貧困~悪循環を断ち切る~』のテーマで講演する。参加は無料。

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