06.多文化共生
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「やさしい日本語」とは~第3弾~
日本に住む外国人に、地震など災害時などいち早く情報を伝える言葉として「やさしい日本語」の重要性が注目を集めています。在留外国人が200万人を超え、2020年の東京オリンピックを控え、国際交流が急激に進む日本。多国籍でなかには英語が話せない外国人も多い。「やさしい日本語」は、小学生2・3年生で習うくらいの日本語。「漢字にルビをふる」「分かち書きにする」「一文を短くする」などです。
阪神・淡路大震災後に最初に考え出された弘前大学、その後、公表された愛知県、島根県と、160カ国・8万人以上の外国人が暮らす国際都市・横浜市の「やさしい日本語」を4回に分けて紹介します。
島根県の『やさしい日本語の手引き』
島根県・(公財)しまね国際センターは、『「やさしい日本語」の手引き』をやさしく、分かりやすく説明しています。その作り方を大きく7つに分けて解説しています。適切な例文で、外国人だけでなく、高齢者や障害者をはじめ全ての日本人にも分かりやすい内容となっています。
【小学校体育館の避難所(新潟県中越沖地震)】
「やさしい日本語」の作り方のPOINTは、◎文・語彙=単語や文の構造を簡単に、分かりやすく!◎情報=必要に応じて説明を加え、相手に理解しやすく!―の二つ。
①伝える情報を選択し、必要に応じて補足説明をする。
一語一句を元の文に対応させて作るのではなく、伝えるべきことは何かを考え、受け手にとって必要な情報にする。
②一つの文を短くし、簡単な構造にする。
主語と述語を明確にする。たとえば、
「○○であり、▲▲なので、」➡「○○です。▲▲です。だから、」
③難しい言葉は、簡単な語彙に言い換える。
たとえば、「今朝」➡「今日の 朝」/「余震」➡「余 震(あとから くる 地 震)」
④曖昧な表現は使わない。
たとえば、「おそらく」「たぶん」「思われます」などは避ける。
⑤文末はなるべく統一する。
「です」「ます」「してください」形にする。
⑥漢字にはルビ(ふりがな)をつける。
【行方不明者の捜索(平成21年中国・九州北部豪雨)】
⑦その他
●発音や意味が原語と異なる場合があるので、カタカナ外来語はなるべく使わない。
たとえば、「デマ」➡「うその 話 」
●擬態語(「めちゃめちゃ」、「ふらふら」等)や擬音語(「ゴロゴロ」等)は使わない。
「めちゃめちゃです」➡「壊れています」
●二重否定は使わない。
「行かないわけではないです」➡「行きます」
●動詞を名詞化したものは、できるだけ動詞文にする。
「揺れがあった」➡「揺れた」
●文節で区切って余白を入れ、「分かち書き」にする(特に全文ひらがなの場合)
「明日再度お越しください」➡「明日 もう一度 来て ください」
●元号(平成・昭和等)は西暦に、年月日は「/」は用いない。方言は標準語にする。
「H25/10/12」➡「2013年10月12日 」
●時間は12時間表示にする
「15時30分」➡「午後3時30分 」
島根県では、「やさしい日本語」について、『小学校2・3年生で習うくらいの簡単な日本語(読み書きが難しくない漢字と、ひらがな・カタカナでの日本語)で、日本語能力試験のN4・N5レベルです。
行政文書などの日本語を翻訳するとき、原文のままでは外国語に翻訳しにくいことがあります。「やさしい日本語」で一旦分かりやすい内容にすることにより、翻訳しやすくなります。
「やさしい日本語」は、情報を伝えるための手段のひとつです。使う語彙を絞り込み、文を短くするため、情報が限られます。情報を確実に伝えるためには、母語等の外国語にきちんと翻訳をして伝えることが大切なときもあります。』と、補足している。
【*写真は、「災害写真データベース」より引用】
【島根県の「やさしい日本語の手引き」http://www.sic-info.org/wp-content/uploads/2014/02/easy_japanese.pdf】
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