06.多文化共生
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「やさしい日本語」とは!!
日本に住む外国人に、地震など災害時などいち早く情報を伝える言葉として「やさしい日本語」の重要性が注目を集めています。在留外国人が200万人を超え、2020年の東京オリンピックを控え、国際交流が急激に進む日本。多国籍でなかには英語が話せない外国人も多い。「やさしい日本語」は、小学生2・3年生で習うくらいの日本語。「漢字にルビをふる」「分かち書きにする」「一文を短くする」などです。
阪神・淡路大震災後に最初に考え出された弘前大学、その後、公表された愛知県、島根県と、160カ国・8万人以上の外国人が暮らす国際都市・横浜市の「やさしい日本語」を4回に分けて紹介します。
弘前大学・社会言語学研究室
1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災後、日本語を十分に理解できない外国人に災害情報を「迅速に」「正確に」「簡潔に」伝えるために、弘前大学・社会言語学研究室により考え出されたのが『やさしい日本語』です。同大学の「やさしい日本語」のパンフレットより、その内容をまとめてみました。
【阪神・淡路大震災の被災現場】
「やさしい日本語」に言い換えるときの基本原則として、大きい地震が起きたときの例で次の5つを挙げています。
①重要度が高い情報だけに絞り込む。《「何が起きたか」「これから注意することは何か」「具体的に注意する事項」を伝える情報》
②あいまいな表現は避ける。《「今後もしばらく余震が続くうえ」「やや規模の大きな余震が起きるおそれもあるとして」のような表現》
③難解な語彙を言い換える。《「今朝」を〈今日 朝〉/「危険」を〈危ない〉/「確認する」を〈よく 見る〉のように言い換える》
④知っていると役に立つ災害語彙には「やさしい日本語」に言い換えた表現を添える。《「余震」→余震〈後で 来る 地震〉など》
⑤複雑でわかりにくい表現は、文の構造を簡単にする。《文の意味が確実に伝わるよう一文を短くする。語の意味が確実に伝わるよう文節に区切りを入れる。など》
【同 建物被害】
「やさしい日本語」に言い換えた例文は次のようなものです。
《今日 朝 5時46分、 福岡 佐賀などで、 大きい 地震が ありました。》
《余震〈後で 来る 地震〉に 注意して ください。》
《地震で こわれた 建物に 注意して ください。》
【同 自衛隊の活動】
阪神・淡路大震災の被災者のうち、死者や負傷者の数を比較してみると、日本人に比べ外国人の方が2倍以上の高い割合で被害を受けていました。また、東日本大震災が起きたとき、被災地に住んでいた外国人の国籍は160カ国以上でした。このため、英語だけでは限界があり、多くの外国人にいち早く情報を伝える「やさしい日本語」が必要とされているのです。
【*写真は、災害写真データベース引用】
【*弘前大学http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ1a.htm】
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